精神状態の不安定
精神状態の不安定さには、2種類あります。
一つは、翌日楽しみにしていることが控えている時などに見られる興奮症状、そしてもう一つは、
辛さや悲しみを伴うマイナスの感情を持つ症状です。
まず、興奮状態にいる時は、脳内で覚醒作用のある物質が大量分泌され、眠れなくなります。
逆に、マイナスの感情を伴う時(怒り、ストレスなど)によってもノルアドレナリンという
覚醒作用のある物質が大量分泌されます。
脳には感情に纏わる物質がいくつかあり、それがアンバランスになる、つまり、感情に何かしらの
大きな変化があった場合には、それがホルモン分泌を大きく左右して、人の眠りを妨げる仕組みに
なっているのです。
また、肉体疲労が生じた時にも、ノルアドレナリンが大量分泌されます。
これは、疲れを乗り切るために、脳がわざと興奮作用を促進するように命令を出すからです。
ですから、肉体の過剰な疲れは、精神バランスに影響することが大きいともいえます。
後述のうつ病やPTSDのような精神疾患でも同様に、精神の不安定さが神経伝達物質の分泌に大きく
影響を与えるために、不眠を引き起こします。
精神疾患といえば、うつ状態やPTSDにとどまらず、不安障害やパニック障害などの疾患においても、
同じように脳内にアンバランスが生じ、それが不眠の原因になります。
脳が常にリラックスした状態でいないと、不眠は簡単に起こり得るのです。