早朝覚醒
早朝覚醒は、朝起きる時間よりもずっと前に、目が覚めてしまう状態のことです。
そして、また寝ることもできず、二度寝することが難しくなります。
たとえそれができたとしても、ノンレム睡眠からレム睡眠に至って起き上がるという本来のプロセスを
辿っていないため、二度寝することで、却って体内のリズムを崩す原因になってしまいます。
そうなると、一日中眠気で悩まされたり、物事に集中できなかったりと、健康的な日常生活を
阻害されるのは、容易に察し得ることだと思います。
早朝覚醒は、「メラトニン」という物質が不足することによって引き起こされます。
メラトニンはホルモンの一つで、まさに眠りを促進するためのものです。
私たちが年を取ると、徐々にメラトニンの分泌量が少なくなります。
高齢者が眠りが浅く、早朝覚醒もしやすいのはそのためです。
老人の早朝覚醒を「老人性早朝覚醒」ともいいます。
そして、どの世代でも気をつけなくてはならないのが、うつ病です。
うつ病は、メラトニン分泌を阻害する大きな原因になります。
ストレスもメラトニン分泌を大きく左右します。
ですから、精神状態の善し悪しが、いかに早朝覚醒に結びつくのかがお分かりいただけると思います。
うつ病で早朝覚醒傾向になった場合は、抗鬱剤と睡眠薬の併用で克服が可能ですが、基本的に
言えることはやはり、精神的に健康な状態にすることが、一番大切であるということです。