レム睡眠行動障害
レム睡眠行動障害とは、寝言や夢の内容が体の行動と一致し、勝手に動き出してしまうことです。
寝ている間に行動するという点では、前述「睡眠時遊行症」と非常によく似た感じではあります。
しかし、レム睡眠行動障害はお年寄りがかかりやすいこと、そして、ノンレム睡眠ではなく、
レム睡眠中に起こることが、大きな違いです。
レム睡眠では、脳はほぼ覚醒していますが、体の筋肉はまだ緩んだまま、つまり、体は寝ている
状態です。
ですから、そのような状態で体に力を入れて動き出すのは、本来おかしいことなのですが、
何らかの原因で、レム睡眠時の筋肉弛緩が取れない為に起こるようです。
そしてその原因なのですが、はっきりしたことはわかっていないのが現状です。
しかし一つ言えるのは、脳は十分に休息を取っているので、睡眠の質には特に影響しない、
ということです。
つまり、睡眠不足状態にはなりません。
ただ、完全に目覚めていないうちに体が動き出してしまうことを止めるのもまた難しいです。
原因が特定できていないので、対症療法的なことで防ぐしかないのです。
特にお年寄りは、筋肉が落ちて転びやすくなっていますから、寝室のバリアフリー化、また
睡眠時行動障害同様に、部屋に危険なものは置かないという風に工夫することで、怪我を未然に
防ぐようにすることが一番大切になります。